ジャワ研究への関り
高分子科学者としてのキャリアの中で,インドネシアを訪れ,其処に住む機会に恵まれたことからして,愚生は多分ジャワまたはインドネシアに関係する運命にあったものと思われる。
1996年にバンドン‐ボゴールで開催された『グリーンポリマーに関する国際ワークショップ』の準備段階で,愚生は,1920年代に徳川義親公によって書かれた有名な旅行記『じゃがたら紀行』を英語で読まれるようにすれば,参加者のためのガイドブックとして有用であろうと考えた。愚生は同書(マラヤに関する章を除く)の英訳に幾許かの努力を払い,原稿は,書名 Travels around Java in 1920s,徳川黎明會刊の私本の形で印刷配布された。同書は2000年開催の同じ主題に関する第2回目の会合の際にも提供された。
上記の英訳原稿は全面的に改訂され,訳者によるイントロダクションを付して,書名 Journeys to Java の公的な書籍として,2004年に ITB Press (バンドン工科大学プレス).から出版された。これらの仕事の過程で,愚生は多数の書物を参照し,原著の書かれた時代あるいは近代のジャワの歴史について学んだ。この英書ならびに2006年に同プレスから出版されたインドネシアの友人の労によるインドネシア語への転訳書 Perdjalanan moenoedjoe Djawa は,本ウェブサイト の[じゃがたら紀行(翻訳)]のセクションで読むことができるようになっている。
イントロダクション ― 著者,本書および歴史的背景について(翻訳者識,日本語訳)→.
公職を離れて以降,愚生は滞在中に垣間見たジャワの歴史と文化を真面目に勉強しようと心を決め,歴史的サイトの訪問,文献調査および友人や専門家との意見交換を通じて知識を蓄えた。結果は日本語および英語で下記の書に著された。
1. |
ジャワ探究:南の国の歴史と文化, 丸善プラネット,東京 2013 |
2. |
Java Essay: The History and Culture of a Southern Country, Troubador Publishing, Leicester, UK 2015. |
本ウェブサイト内 [ジャワの歴史] の 『社寺の守護神』 は上記の書の最初の補遺であって,2015年7月に脱稿,爾後改訂されている。
[伝統文化]に関する項を設け,「繊維学会誌」第72巻第11-12 号(2016)に寄稿した 総説
『ワヤン(ジャワの影絵芝居)と派生劇』「前/後篇」および同記事の「英訳」
を追加した(2017年12月)。