ジャワの歴史と文化(序)
通商産業省(現・経済産業省)工業技術院に奉職中,国際協力プロジェクトのためインドネシア国に派遣されてバンドン市に2年間在住したほか,共同研究などのため幾度か同国を訪れました。退官後には国際協力事業団の海外派遣研究員を拝命し,ボゴールの研究所で3年間を過しました。勤めを終えてからは本来携わった高分子科学から離れ,インドネシア滞在中に垣間見たジャワの歴史と文化の勉強に専心し,内外の書籍,古跡の調査,インドネシアの専門家や友人との交流を通じて得た知識を基に,『ジャワ探究』ならびに,その英語版 Java Essay を上梓しました。
Java Essay 出版の目途が立ったとき,原稿を添削してくれた英国の友人から,「次に何をやるのか。」と問われて瞬時周章しましたが,「余命あらば,2,3年位はジャワ研究の補遺をやりたい。」と答えました。
I. |
社寺の守護神 は,その手始めに,既刊の中に含められなかった事柄や,その後に得た知識を取纏めた草稿であって,2015年7月に脱稿しました。 |
II. |
ジャワ史沿革 は『ジャワ探究』序章の再掲であります。 |
III. |
古代ジャワにおける王統の系譜 は『ジャワ探究』に載せたものの改訂版であって,新たに入手した文献を参照してケリン王国,サンジャヤ王国,カンジュルハン王国ならびにサイレンドラ王国の関係を詳しく致しました。 |
IV. |
伝承と物語 には『ジャワ探究』に収録した伝承や物語の幾つかを抽出して載せました。 |
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著 者:井口正俊 |
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著 者:Masatoshi Iguchi |
旧版で参照した文献は,
(1) Saleh Danasasmita, Sejarah Bogor, Pemerintah Daerah Kotamadya DT II Bogor, 1983 (A history of Bogor),
(2) Atja, Edi Suhardi Ekajati, Pustaka rajya-rajya i bhumi Nusantara Vol. I - 1, Bagian Proyek Penelitian dan Pengkajian Kebudayaan Sunda (Sundanologi), Direktorat Jenderal Kebudayaan, Departemen Pendidikan dan Kebudayaan, 1987,
(3) Atja, Carita Parahiyangan: Naskah Titilar Karuhun Urang Sunda, Jajasan Kebudajaan Nusalarang, Bandung 1968,
(4) Sketsalaku, Galuh Karangkamulyan, June 18, 2010, http://sketsalaku.wordpress.com/2010/06/18/4/。
新たに参照した文献は,
(5) Edi S. Ekadjati (Ed.), Polemik Naskah Pangeran Wangsakerta, Pustaka Jaya, Jakarta 2005,
(6) Ayatrohaedi, Sundakala: cuplikan sejarah Sunda berdasarkan naskah-naskah "Panitia Wangsakerta" Cirebon, Pustaka Jaya, Jakarta 2005.